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高次脳機能障害とは

高次脳機能障害は、交通事故、転落事故、脳卒中などで脳が傷つくことにより、記憶、注意、感情のコントロール、段取り、疲れやすさなどに困りごとが出る障害です。

見た目では分かりにくいため、本人の努力不足、性格の問題、わがままと誤解されてしまうことがあります。

よく見られる困りごと

  • 忘れやすい
  • 集中が続きにくい
  • 疲れやすい
  • 感情のコントロールが難しい
  • 段取りが苦手
  • 失語、失認などがある
  • 受傷前と受傷後の違いに本人や家族が戸惑う

高次脳機能障害は、症状の出方が一人ひとり違います。
そのため、障害名だけで判断するのではなく、本人の状態や生活の困りごとを一緒に整理することが大切です。

本人だけでなく、家族も悩みます

高次脳機能障害は、本人だけでなく、ご家族にも大きな不安や負担が生じることがあります。

「前とは違う」
「どう関わればいいかわからない」
「どこに相談したらいいかわからない」

そのような思いを、家族だけで抱え込んでしまうこともあります。

まずは相談してください

高次脳機能障害かどうかわからない段階でも大丈夫です。

本人やご家族の困りごとをお聞きしながら、必要な支援を一緒に考えます。
一人で抱え込まず、まずはご相談ください。

高次脳機能障害の原因・なぜ起こるの?

高次脳機能障害は、脳が傷つくことで起こります。

主な原因には、交通事故や転落事故などの外傷、脳卒中や脳梗塞などの病気、低酸素脳症や脳炎などがあります。

■ 脳の血管が切れたり、つまったりすること
脳卒中・脳梗塞・くも膜下出血など

■ 脳が傷つけられたり、圧迫されたりすること
交通事故・転落事故・スポーツ・暴力など

■ 脳が炎症を起こしたり、酸素不足になること
脳炎・低酸素脳症など

高次脳機能障害による後遺症

脳のどこが傷ついたかで、困りごとの出方は変わります

脳の損傷は、麻痺や感覚の障害など、身体に現れる後遺症だけでなく、記憶、注意、言葉、判断、感情、行動などに関わるさまざまな困りごとにつながることがあります。

高次脳機能障害は、外見からは分かりにくく、本人の努力不足や性格の問題と誤解されてしまうこともあります。
しかし実際には、脳が傷ついたことによって起こる障害であり、症状の出方は一人ひとり違います。

右脳
注意、空間の把握、視覚情報の処理などに関わることがあります。

左脳
多くの人では、言葉を理解する、話す、読む、書くなどの言語機能に関わることがあります。

前頭葉
考えること、判断すること、行動を計画すること、感情や行動を調整することなどに関わる場所です。

側頭葉
聞くこと、言葉の理解、記憶などに関わる場所です。

後頭葉
見ること、見た情報を処理することに関わる場所です。

※この図は、脳の主な部分のおおよその位置をわかりやすく示したイメージ図です。
脳の働きは、それぞれの部位が単独で行うものではなく、複数の部位が連携して成り立っています。
また、症状や困りごとの出方には個人差があります。診断や医学的判断を目的とした図ではありません。

ここからは、高次脳機能障害で見られる主な症状を、種類ごとにご説明します。

後遺症の種類

高次脳機能障害では、身体に現れる後遺症だけでなく、認知機能や感情、行動面に関わる後遺症が現れることがあります。

記憶障害
新しいことを覚えにくい、約束を忘れる、同じ話を繰り返すなど。

注意障害
集中が続きにくい、ミスが増える、二つのことを同時に行うと混乱するなど。

遂行機能障害
計画を立てる、段取りを組む、順序よく行動することが難しいなど。

社会的行動障害
感情のコントロールが難しい、怒りやすい、意欲が続きにくい、周囲との関係で困るなど。

失語・失行・失認
言葉が出にくい、道具の使い方が分からない、見えているものを認識しにくいなど。

外見からは重症度や苦痛が分かりにくく、一人ひとりの症状も違うため、周囲に理解されにくいことがあります。

その結果、本人が「分かってもらえない」と感じたり、ご家族が対応に悩んだり、社会生活から離れてしまうこともあります。

高次脳機能障害は、目に見える障害だけではありません。
見た目には軽く見えても、本人にとっては生活や仕事、人との関係に大きな困りごとがある場合があります。

だからこそ、症状だけを見るのではなく、本人の生活、ご家族の不安、これからの暮らしを一緒に整理していくことが大切です。

症状は一人ひとり違います

高次脳機能障害は、同じ診断名であっても、症状や困りごとは一人ひとり違います。

脳の損傷箇所、受傷年齢、受傷前の生活、家族関係、仕事や学校の状況などによって、必要な支援は変わります。

そのため、誰かと同じ対応をすればよいというものではありません。
本人の状態、ご家族の不安、生活の困りごとを一緒に整理していくことが大切です。

高次脳機能障害リーフレットを制作しました

高次脳機能障害友の会しがでは、滋賀県の高次脳機能障害普及啓発委託事業として、啓発リーフレットを制作してきました。

リーフレットには、高次脳機能障害の症状、本人が感じている困りごと、家族の体験、日常生活での対応の工夫などをまとめています。

外見からは分かりにくい障害だからこそ、本人・家族・支援者・地域の方が同じ理解を持てるよう、今も大切な啓発資料として活用しています。

よくある質問

高次脳機能障害は、見た目では分かりにくいのですか?

はい。外見からは分かりにくいことが多く、周囲から誤解されたり、本人の努力不足と思われたりすることがあります。

本人やご家族が困りごとをうまく説明できない場合もあります。

高次脳機能障害は、どのような原因で起こりますか?

脳卒中、交通事故や転落などによる脳外傷、脳炎、低酸素脳症など、脳が傷つくことで起こることがあります。

症状の出方は、傷ついた場所や程度によって異なります。

高次脳機能障害は、治りますか?

症状や回復の経過には個人差があります。

リハビリや生活環境の調整、周囲の理解、本人に合った工夫によって、生活しやすくなることがあります。

高次脳機能障害は、子どもにも起こりますか?

はい。子どもでも、病気や事故などにより高次脳機能障害が生じることがあります。

学校生活や友人関係、学習面などで困りごとが現れる場合があります。

家族は、どのように関わればよいですか?

本人を責めたり、無理に頑張らせたりするのではなく、困りごとの背景を理解することが大切です。

本人に合った伝え方や生活の工夫を一緒に考えていきます。

なないろと高次脳機能障害

なないろが高次脳機能障害に深く関わるようになったのは、身近な家族の交通事故がきっかけでした。

突然の事故や病気によって、それまでの生活が大きく変わることがあります。
高次脳機能障害は、周囲から見えにくく、本人や家族が孤立しやすい障害です。

一般社団法人なないろは、高次脳機能障害友の会しがの活動を原点として、本人支援、家族支援、就労支援、生活支援、住まいの支援などを通じて、ご本人とご家族が地域で安心して暮らし続けられるよう支援しています。

なないろが考える高次脳機能障害

なないろはこれまで、家族会や就労継続支援B型サンサンでの活動を通じ、多くの高次脳機能障害のある方、またそのご家族と関わってきました。

一番感じていることは、脳の損傷箇所や受傷年齢、受傷前の環境や元々の性格などによって、現れる症状や後遺症が異なるということです。

つまり、高次脳機能障害だからといって、誰一人として同じ対応でよいわけではありません。

高次脳機能障害は、まだ十分に理解されているとは言えません。
だからこそ、他人事ではなく、症状や原因を知り、本人や家族の困りごとを理解していくことが大切です。

なないろでは、本人・家族・支援者・地域がつながり、その人らしく安心して暮らせる地域づくりを目指しています。

まだ一人で悩まないでください

高次脳機能障害は、ご本人だけでなく、ご家族や支援者も悩みを抱えやすい障害です。

「もしかしたら高次脳機能障害かもしれない」
「どうすればいいか分からない」

そんな時は、一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。